インターネットの医療情報
わからないこと、調べたいことがあるときに、まずはネットで調べて見る方も多いのではないでしょうか。
本当に便利な時代になりましたね。
病気についても例外では無く、情報がすぐに、簡単に手に入るようになったため、患者さんも受診前からいろいろ調べてご来院される方もたくさんいらっしゃいます。
特に皮膚疾患は、患者さん自身で症状が目に見えます。
ですので、インターネット上に出ている画像から、患者さんなりに自分に近い皮疹と症状を見つけ、「これだと思うんです!」「この治療が効くと書いてあるんです!」とおっしゃられる方も多いのです。
ご自身の身体の異変に興味を持っている証ですので、このこと自体はとっても良いことだと思います。
ですが、インターネットの情報に踊らされすぎないでください。
「ガンかもしれないと書いてあって、心配で眠れませんでした。」とおっしゃられる方も少なくありません。
インターネットには、良いこと悪いこと、本当のこと、嘘の情報、さまざまな記事で溢れています。
情報は、多すぎると取捨選択が大変です。
そして、本当にその情報が正しいかどうかの判断は、なかなか出来ません。
不思議なことに、嘘の情報の方がよく広まるという研究データも出ています。
医師はこれまで数多くの症例を見てきており、中には最初の見立てと違う病気であったり、典型的な症状ではなく足元をすくわれたりと色々な経験を経て、今があります。
臨床に携わる中で、冷や汗をかいたことのない医師はいないと思います。
医師も人間ですので、間違えることはあります。
ですが、見落としてはならないこと、気をつけるべきことなど常に万が一のことを考えながら、今考えられる疾患、それに対する最善の治療を考えながら診療にあたっています。
自分でいろいろ調べることは大切です。
ですが、インターネットに惑わされすぎないでください。
医師は医学雑誌や論文など、公平に試験された検証実験などのデータに基づき、現時点で一番信頼性の高い治療を提案しています。
そして数々のデータを元にガイドラインが作成されております。
これを標準治療と言います。
標準というと、「ありきたり」な感じがして良いイメージがない方もいると思いますが、違います。
標準治療とは、「現時点で科学的に裏付けのある最善の治療」なのです。
「○○でアトピーが治った!」と宣伝されると、飛びつきたくなる気持ちはわかります。
ですが、その治療に飛びつく前に、普段かかりつけの信頼できる皮膚科医に相談してみてください。
当院も、地域の方に「困ったときはあの先生に相談してみよう!」と思って頂けるようなクリニックを目指しています。
ときには少しおせっかい?と思われてしまうこともあるかもしれませんが、一人でも多くの患者さんが、適切で最善な医療を受けられるよう、できることから少しずつ始めていきたいと思います。
また、患者さん自身が聞き得た情報で気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
院長