日焼けはヤケド?
こんにちは。梅雨が明けて1週間。
今年は雨の時期が長く日差しが待ち遠しかったですが、やはり夏の日差しは強力ですね。特に、今年の日差しは例年以上のパワーを感じます。
洗濯物の乾きが良いのは、とても嬉しいですが、みなさん熱中症には十分気をつけてくださいね。
本日は日焼けについてお話したいと思います。
日焼け、と聞くと、女性の皆様はまず、「シミになるから日焼けしたくない!」と思われる方が多いのではないでしょうか。
実際に、美容皮膚科診療の中でも、「日焼けはシミの原因となりますので、日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、日傘をさすなどして対策してくださいね」と説明することがよくあります。
女性の方はある程度「日焼け」=「避けたい」という意識でいらっしゃる方が多いと思います。
ですが、男性は「焼けてこそオトコでしょ」、「日焼け止めなんていちいち塗ってられない、面倒くさい」と思われる方が大半ではないでしょうか。
しかし!特にこの時期の日差しを侮ってはいけません。
先日外来に、「全身が痛くて眠れない」という男性がやってきました。
どこかから落ちたのかな、でも、皮膚科になぜ受診するのだろうと思ったのですが、診察室に入るやいなや、全身が真っ赤に腫れて、お顔はゆでダコのようになっていました。
聞くと、前日に家族で海水浴に行ったとのこと。
楽しい思い出もつかの間、夜には眠れないほど全身がヒリついてしまったようです。
「日焼け止めは塗りましたか?」と聞くと、「いえ…(視線をそらす)」
「服装は?」「海パン一丁です!(満面の笑み^^)」
この季節、これでは危険です。
これはSun Burn(サンバーン)と呼ばれる状態で、立派なヤケドなのです。
特に色白の人は、皮膚に存在するメラニン色素を合成する力が弱いので、紫外線を浴びると肌が赤く、痛痒くなってしまうのです。
ちなみにメラニンとは、肌の黒い色素のことで、色白の人は少なく、色黒の人には多く含まれています。
もちろん、白人にはほとんど無く、黒人には多く含まれています。
黄色人種の日本人の皮膚色はその中間で、メラニン色素の合成力も個人差が大きいため、色白の人、色黒の人がいます。
色黒の人は多少日焼けをしても赤くならずに、黒くなるのが特徴で、これをSuntanning(サンタン)と言います。
これは、紫外線に対する体の防御反応ですので、色黒の人は赤くなりにくい、つまり日焼けに強いと言えます。
話は戻り、その患者様の続きです。
海パンでかろうじて隠れていたところ以外は真っ赤に腫れており、一部水ぶくれになっていました。(医学用語では水疱形成といいます)
赤くなっている部分は1度熱傷、水ぶくれになっているところは浅達性2度熱傷といえます。熱傷=ヤケド、ですね。
鎮痛薬と、ステロイドの外用薬を処方させて頂きました。
このヤケドは防げる病気です。
次回から、
- こまめに日焼け止めを塗ること
- 難しければ、ラッシュガードを着ること
- 浜辺にいる時は、可能な限りパラソル、木陰の下で休むこと
をお勧めさせて頂きました。
一枚上に着ているだけで、ヤケドになるほどの日焼けは防げることが多いです。
治療経過は良好で、数日で皮膚は落ち着きました。
日焼けによるヤケドは予防が一番ですが、もし痛みを感じるほどの日焼けをされた場合は、早めに受診されてくださいね。
当院では、肌の弱い方でも使用出来る日焼け止めなど、皮膚の専門家が自信を持ってお勧め出来る商品をご用意させて頂く予定です。
楽しみにお待ちいただけたらと思います。
院長