最善の治療法をご提示いたします

当院は、地域の皆様の皮膚科“かかりつけ医”でありたいと考えております。皮膚についてお困りのことがございましたら、どんな些細なことでも、お気軽にご相談にいらしてください。赤ちゃんからご高齢の方まで、一人一人の状態に合わせた最善の治療法をご提案いたします。

皮膚には全身の状態が映し出される

昔からよく「皮膚は内臓を映す鏡」と言われますが、皮膚は内臓を包み込んでいる大きな袋のようなものですから、内臓・諸器官の発するサインがよく表れます。内臓をはじめとする体内の状態や血行の調子、ホルモンバランス、ストレスの有無などが複雑に絡み合い、皮膚症状として出現してくることが少なくないのです。
小さな皮膚病変を検査しているうちに、思わぬ内科的疾患が見つかるケースもありますので、皮膚の異常が見つかりましたら、早めに受診してください。
皮膚は他の臓器と違い、患者様ご自身で異常を見つけやすく、定期的なお肌の健康チェックにも当院をご利用ください。

受診される方に多く見られる皮膚症状・疾患

皮膚のことなら何でもご相談ください

上記のような皮膚症状・疾患以外にも、日頃のスキンケアの悩みや乾燥、肌荒れなど、皮膚のことで少しでも気になることが出てきましたら、何でも遠慮無くご相談ください。
皮膚に精通した医師として、一人一人に合ったスキンケア方法をアドバイスいたします。
体表に関わることしたら、頭のてっぺんから足の先まで対応可能です。

皮膚疾患の予防・治療

皮膚疾患の原因には、様々なものが挙げられますが、特に日常生活の過ごし方が大きな影響を与えています。脂っこいものや甘いものを食べ過ぎたり、睡眠不足やストレスフルな生活を送っていると、皮膚トラブルを招きやすくなります。
バランスのとれた食生活、夜更かしを避けて十分な睡眠をとり、適度な運動を心がけましょう。ストレスを溜め込まないように、気分転換を図ることも大切です。また、紫外線を過剰に浴び過ぎることも皮膚ダメージにつながりますから、日傘や帽子をうまく利用して日焼け対策を講じることも重要です。当院では、患者様それぞれの状態に合わせたスキンケア用品、日焼け止めなど、各種ご用意しております。クリニックでのみ購入可能な商品も、数多く取り揃えておりますので、気軽にお声掛けください。

皮膚科で診療する主な症状・疾患

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹を特徴とする皮膚疾患で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。皮膚症状が、年齢によって変化するのも特徴的です。
アトピー性皮膚炎の原因は、まだはっきりとはわかっていませんが、遺伝的な体質に環境要因が影響して発症すると考えられています。多くの患者さんは、皮膚が乾燥しやすい素因(ドライスキン)とアトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)を併せもっています。
アトピー性皮膚炎の治療において中心となるのは、薬物療法です。アトピー性皮膚炎治療の外用薬としては、ステロイドの塗り薬とステロイド以外の免疫抑制薬の塗り薬があります。ステロイドの塗り薬は、炎症を強く抑える作用を有し、免疫抑制外用薬は過剰な免疫反応を抑えます。これらの薬剤を適切に使うことで症状を早く改善し、良い状態を維持することが可能となります。
そのほかに、痒みを抑えるための抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を補助的に用いたり、他の治療でなかなか良くならない重症の成人患者様では、ステロイド薬の飲み薬やシクロスポリン(免疫抑制薬)の飲み薬を服用したりすることもあります。
また最近では、副作用の少ない効果的な注射薬や、ステロイド以外の外用薬なども登場しております。アトピー性皮膚炎の治療法は、現在もより良いものへと、日々進化しています。日頃のスキンケアをはじめとし、上記の治療法の中から患者様それぞれに合わせた最適な治療方法をご提案させていただきます。これまで通院が長続きしなかった患者様も、ぜひ一度ご来院ください。

湿疹

皮膚科を受診される患者様に大変多く見られる症状の一つに湿疹があります。ブツブツや小さな水ぶくれ、赤みなどが混ざって現れ、痒みを伴うことが多いです。
原因として考えられるものには、自己免疫(自分自身に対する免疫反応)や食べ物アレルギー、ダニ、ハウスダスト、薬疹、ウイルスなどがあります。湿疹について一般的にいえることは、皮膚の「バリア機能」が外部からの刺激に負け、その結果として炎症を引き起こしている状態だということです。
湿疹は痒みを伴うことが多く、ついつい引っ掻いてしまいがちなものです。しかし、掻いて治ることは無く、むしろ掻くことによって患部を掻き壊してしまい、化膿や悪化を招き、患部が拡大してさらに痒くなる、という悪循環に陥ることが少なくありません。まずは、痒みや炎症を抑える薬を上手に使い、こうした悪循環を断ち切る必要があります。
また、湿疹は慢性化すると治りにくくなりますので、症状がしばらく続くようなら、早めに皮膚科を受診しましょう。繰り返す湿疹は、しみ(色素沈着)の原因にもなります。きれいなお肌を保つためにも、異常を感じたら早めに受診しましょう。

脂漏性皮膚炎

脂腺の多いところに生じる湿疹で、頭部や顔、胸背部などに出来やすいのが特徴です。新生児や乳児に多く見られますが、大きくなるにつれて自然に出来なくなっていきます。
一方、問題なのは中高年の方の場合で、頭、顔、耳にフケがしつこく出て、痒みもあり、とても憂うつな疾患です。
原因としては皮脂の成分の質的異常であり、皮膚機能の老化が関係しています。また、でんぷう菌(マラセチア)の感染が関与することがあります。脂漏性皮膚炎の治療としては、爪を立ててこすらず、手のひらで撫でる様に洗うことが基本で、その後にステロイド軟膏とでんぷう菌に効く抗菌薬を塗ります。当院では、日々のケア方法などを日常生活の中で無理なく行えるよう、具体的にアドバイスさせていただくことを心がけています。

じんましん

痒みの強い、わずかに盛り上がった赤い膨らみが数分~24時間以内にできて消えていく皮膚疾患をじんましんと言います。多くは痒みを伴いますが、チクチクとした痛みや、熱く焼けつくような痛みを伴うこともあります。
6週間以内に治るタイプを急性じんましん、それ以上の期間にわたって断続的に発症するタイプを慢性じんましんと呼びます。
じんましんの原因は、食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染など様々で、検査としては皮内反応や血液検査IgE RAST法、一般血液検査などを行います。ですが、慢性じんましんでは、原因が特定できないことも少なくありません。
じんましんの治療には、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを使います。薬を内服すれば、多くの人は数日で症状が治まりますが、医師の指示に従って飲み続け、徐々に薬を減らしていくことが大切です。当院では、じんましんの原因を知るための血液検査を行うことも可能です。ご希望の方は、受診時にお伝えください。

接触性皮膚炎(かぶれ)

皮膚に直接触れたものが原因となって起こる、炎症や湿疹のことをかぶれ(接触皮膚炎)といいます。原因が明らかな場合は通常、「うるしかぶれ」「オムツかぶれ」など、原因となったものの名前を頭につけて称されます。また、染毛剤によるものや、化粧品が原因となって起こることもありますので、発症するまでの経緯をお伝えいただくと診断に有効な手掛かりとなります。
原因が明確でない場合は、「パッチテスト」を行うこともあります。パッチテストとは、原因と思われる物質を皮膚に貼りつけて反応を見る検査です。原因物質がわかったら、まずは、その物質が含まれるものに接しないように注意します。短期的にステロイド外用薬を使用し、痒みが強い場合は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を用いて治療します。
なお、接触皮膚炎には、アレルギー性のものもあります。この場合は、原因物質(アレルゲン)に繰り返し触れることで湿疹が現れます。「アトピー性皮膚炎」と間違えやすいのですが、複合的な要素が絡んで原因が複雑なアトピーとは違い、原因を特定し、その刺激を除くことで、症状を改善することができます。

虫刺され

虫刺されでは、虫に刺された直後から翌日以降に、その部分が赤く腫れたり、水ぶくれになったり、しこりになったりします。特に、小さいお子さんは腫れやすいものです。
痒いからといって患部を掻き壊すと、とびひ(伝染性膿痂疹)や治りにくい痒疹(痒みのある硬くなった皮膚)となり、長期化することがあります。そのため、毒性の強い虫に刺された場合や、腫れや痛み、ほてり、水ぶくれなどの症状がある場合は、皮膚科への受診をお勧めします。
皮膚科の治療では、ステロイド軟膏を短期間外用します。腫れや痒みが強い場合は、抗アレルギー薬を服用することもあります。

水虫

地球上にはカビ(真菌)がたくさん存在しており、私たち人間と共存しています。納豆菌や乳酸菌といった生活に役立つものばかりでなく、人間に病気を起こすカビもいます。水虫菌もその一つで、正式には白癬菌(はくせんきん)と呼ばれます。
この白癬菌が棲み着いて増殖を始めた頃、私たちの体はこの菌を追い出そうと、激しい炎症を起こして抵抗します。この炎症が痒みのもとになります。これが急性期の水虫の症状です。しかし、しばらく経つと、白癬菌に対する炎症を起こさなくなり、共存状態となります(慢性化)。急性期の水虫の方が治療に対する反応は良いので、水虫は「痒い時が治し時」ともいえます。
水虫の治療には一般に抗真菌薬が使われ、塗り薬と飲み薬があります。爪白癬のような爪の中に薬の成分が届きにくいタイプには、内服薬が第一選択になりますが、状態に合わせて外用薬が使用されることもあります。

うおのめ・たこ

うおのめやたこは、足の特定の場所に継続的に圧力がかかって発症します。
たこは皮膚の表面の角質が部分的に肥厚したもので、痛みはありません。うおのめは肥厚した部分にさらに圧がかかって硬くなり、芯をもっているため、歩く度に刺激されて痛みが走ります。
また、足の裏によくできるのが足底疣贅(そくていゆうぜい)といういぼの一種で、これをうおのめと勘違いされる方も多くいます。しかし、これはいぼウイルスによる腫瘍であり、知らずに触って、かえって患部を広げてしまうことがありますので、この見分けをきちんとつけるためにも、皮膚科への受診をお勧めします。
うおのめ・たこの治療では、スピール膏やメス、ハサミやニッパーなどを用いて患部を治療します。複数回の治療が必要となることもありますので、医師の指示に従い通院しましょう。

いぼ

いぼは、ヒトパピローマウイルスの感染によって発症する腫瘤で(感染経路はよくわかっていません)、いじるとどんどん増える傾向があります。人から人にもうつります。
いぼができたからと言って、自分で引っ掻いて治そうとすると、かえってウイルスを撒き散らしてしまう可能性があります。いぼを見つけた際は、数が少ないうちに皮膚科で相談しましょう。また、稀ながら悪性のものもあるので、それらとの見分けをつけるためにも、専門家への受診をお勧めします。皮膚科では、ダーモスコピーと呼ばれる医療用の拡大鏡を用いて、患部を観察します。
いぼを外科的に除去する方法には、液体窒素療法やレーザー療法などがあります。複数回の継続的な治療が必要となりますので、治療間隔を守り、しっかりと治るまで継続的に通院しましょう。

にきび

にきびの直接的な原因は、皮脂の過剰な分泌と毛穴の詰まりです。過剰に分泌された皮脂が毛穴に溜まり、面皰(めんぽう)という状態になります。この毛穴に溜まった皮脂を栄養源にして、にきびの元となるにきび菌は増殖していき、症状を悪化させます。
大人のにきびは、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレスや生活環境など、いろいろな要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくいのが特徴です。
にきびの治療にあたっては、にきびの種類と重症度を判断し、外用薬(抗生物質の外用、過酸化ベンゾイル、アダパレンなど)、内服薬(抗生物質、ビタミン剤、漢方薬、ホルモン剤など)、理学療法(光治療・レーザー治療などの自由診療)等のなかから選択します。当院では症状に合わせて、保険診療で出来るかぎり治療し、自由診療を用いた方がより効果的に治療ができる場合は自由診療をお勧めするなど、患者様それぞれに合わせた最適な治療法をご案内いたします。
にきびができると気分的にもすぐれず、日常生活にも影響が及んできます。また、にきびのケアが不十分だと「にきび痕」が残ってしまうこともあります。にきび症状が現れたら、放置せず早めに皮膚科を受診しましょう。

帯状疱疹

水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって発症し、水ぼうそうを経験した人にのみ起こります。
頭部から下肢までの片側に、痛みを伴った小水疱が帯状に生じます。顔にできると、顔面神経麻痺、めまい、耳鳴りなどが起きることがあります。
痛みに悩まされることが少なくなく、長い間痛みが残ってしまうこともあります(帯状疱疹後神経痛)。この痛みは治りにくく、つらい後遺症となります。
抗ヘルペスウイルスの内服治療を行い、痛みが強い場合は対症療法として鎮痛薬の内服を行います。
帯状疱疹は、早く皮膚科を受診して早期に治すことが何よりも大切で、これにより帯状疱疹後神経痛の発症頻度を少なくすることが可能です。また、発症を予防するために帯状疱疹ワクチンの接種も大変有効です。帯状疱疹の発症率は50歳以上で増加し、歳を重ねるごとに増えていきます。帯状疱疹後神経痛への移行リスクも、高齢になるほど高くなります。適切な予防接種により、50歳以上の方で97%、70歳以上の方で90%の方が予防できるといわれています。ご希望の方はぜひご相談ください。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスの典型的な症状は、唇のまわりに赤い水ぶくれができて痒みや痛みが伴うことで、疲労やストレスで体が弱っている時によく発症します。この疾患の病原体はヘルペスウイルスです。ヘルペスウイルスは、一度感染すると、神経細胞の中に隠れ潜んでしまいます(潜伏感染)。潜伏したヘルペスウイルスは、現在のところ退治することはできません。そして体の抵抗力が衰えている時などに、急に暴れ始めるのです。
口唇ヘルペスの治療としては、主に抗ヘルペスウイルス薬を用います。飲み薬と塗り薬があり、場所や症状の程度などによってそれぞれ使い分けます。発疹の出る前にチクチクするなどの予兆が出ることも多く、その時点で治療を始めると治りが早くなります。
年に3回以上症状が繰り返す場合は予防的に薬を処方できるようになりました。思い当たる方はご相談ください。

とびひ

とびひは、皮膚への細菌感染によって発症し、人から人へとうつる疾患です。特にアトピー性皮膚炎の患者さんは、皮膚のバリア機能が低下しているため、とびひにかかりやすいので、要注意です。
掻きむしった手を介して、水ぶくれがあっという間に全身へと広がる様子が、火事の火の粉が飛び火する様に似ているため、「とびひ」と呼ばれます(正式には伝染性膿痂疹といいます)。
とびひの治療には、主に抗菌薬を使って原因菌を退治します。
また、必要に応じて抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、亜鉛華軟膏なども用い、痒みや炎症を抑えます。

顔、体のできもの(粉瘤、脂肪腫、母斑、ほくろ)

粉瘤

粉瘤(ふんりゅう)はアテロームとも言い、皮膚の皮が毛穴の奥で袋を作ってしまい、中に老廃物や皮脂が溜まった半球状の良性腫瘍で、中央部には黒点状の開口部があります。強く圧迫すると、開口部から臭くてドロドロした内容物が排泄されるケースがあります。
顔や耳のまわり、耳たぶ、鼠径部(そけいぶ)、背中などによくできますが、毛穴がある場所なら、どこに生じてもおかしくありません。ですので、頭のてっぺんから足の裏にも出現することがあります。
いつの間にかできて、自然に小さくなることもありますが、少しずつ大きくなって目立ってくるケースもあります。また、ある時突然赤くなって腫れや痛みが出て、粉瘤のまわりに急に化膿や炎症を起こすケースもあります。炎症を起こして、はじめて粉瘤に気づいたりもします。
粉瘤が化膿を伴っている場合は、まず化膿の治療を行います。抗生剤の内服を行い、膿が溜まっている時は、局所麻酔をして切開の上、膿を出します。内服薬で症状が治まってくれば、そのまま小さくなるまで様子を見ます。切開排膿後は、中から膿が出なくなるまで、創部の洗浄を続けます。
化膿していない時、または化膿が治まったら、局所麻酔下で粉瘤を袋ごと取り出す手術を行います。手術後は、翌日に傷の具合を確認し、手術した部位に合わせて1~2週間後に抜糸します。
手術では、粉瘤のヘソと呼ばれる部位を含むように、皮膚の一部と合わせて袋ごとできものを取り出します。傷口を小さくするへそ抜き法も可能です。従来の方法と比べてのメリット、デメリットなどを踏まえお話させていただきます。ご希望の場合はお申し付けください。
当院では来院当日の手術にも対応しております。混雑状況次第でお受けできない場合もありますが、当日の手術を希望される場合はおっしゃってください。形成外科専門医が責任を持って手術にあたります。

脂肪腫

脂肪腫とはその名の通り、脂肪の一部が腫瘍のように増殖したものを言います。皮膚の下に軟らかい固まりとして触れることができます。大きさは、いろいろです。
この脂肪腫は5cm前後のことが多いのですが、中には10~20cmのものも見られます。ここまで大きい脂肪腫の場合は、その一部が悪性化している可能性があり、要注意です。MRIなどの画像診断で、脂肪腫の状態を調べておくことが必要になります。
多くは良性ですが、急に大きくなってきた、痛みがあるなどの場合は注意が必要です。早めに皮膚科や形成外科を受診しましょう。
治療は腫瘍を取り除く手術が必要です。小さい場合は局所麻酔下での手術が可能で、当院でも日帰りで手術可能です。

ほくろ

ほくろは、正式には色素性母斑と言い、皮膚の一部にメラノサイトという色素細胞が集まったものです。
ほくろは皮膚悪性腫瘍、特に悪性黒色腫との鑑別が大切です。悪性黒色腫は転移しやすく、進行の速いことが多いため、怖れられています。命に関わる皮膚がんの代表的なものです。
短期間で急に大きくなったり、色が濃くなったり、色素がまわりの皮膚に染み出してきたり、硬化してきたような場合は、注意が必要です。少しでもおかしいと思われるほくろが生じた場合は、自己判断せずに、皮膚科を受診しましょう。ダーモスコピーと呼ばれる医療用拡大鏡で観察し、診断します。
治療は、手術による切除が基本となります。当院では部位に応じて最も適した治療方法を提案しています。

やけど(熱傷)

熱などの刺激により、皮膚や粘膜が損傷している状態がやけど(熱傷)です。主に高温のものが皮膚に一定時間以上触れることによって起こり、火炎・爆発、低温やけど、薬品(酸、アルカリ溶液など)、電流(家庭電源、落雷など)などが原因となることが多いです。
治療方法は皮膚の損傷具合によって異なり、症状によって1度~3度に分類されます。
1度とは表皮のみのやけどで、皮膚が赤くなるほか、ヒリヒリとした痛みもあります。この場合、ステロイド外用薬を塗り、数日で治ります。
2度は真皮に達するやけどで、赤みやむくみだけでなく、水ぶくれもできます。傷跡が残ることもあります。
3度は皮膚のすべてが損傷する状態をいいます。この場合、乾燥や痛みを感じることはありません。痛くないやけどは要注意です。自然治癒が難しいため、植皮術などの外科的治療が必要となることがあります。早く治すためには、適切な治療を行うことが大切です。傷を綺麗に治すためにも皮膚科・形成外科を受診することをおすすめします。
当院では、症状に応じてなるべく早く、傷の残りにくい治療法を提案しています。やけどは治った後に炎症後色素沈着と呼ばれるシミになることがあり、それを予防するための治療を行うことも可能です。受傷早期の来院が大切となります。

乾癬

銀白色の鱗屑(りんせつ:皮膚の角質が集まってできたもの粉)を伴い、境界のわかりやすい明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出ます。乾癬の患者さんの多くが、この症状を呈します(尋常性乾癬)。尋常性とは、「普通の」という意味です。
大きさ・数・形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を形成することもあります。できやすい部位は、慢性かつ機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿などです。青壮年期の発症が多く、多発しますが、通常は内臓を侵すことはありません。痒みは約半数の患者さんに見られます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります。稀ながら、発疹が全身に及ぶこともあります。
乾癬は慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返し、一律的な治療法は無く、患者さんの病気の程度、置かれた状況などに応じた治療法を選択することになります。

掌蹠膿疱症

膿疱とは膿が溜まっている水疱のことで、膿疱が手のひらや足の裏にたくさん発生している症状を掌蹠膿疱症と言います。気になる膿疱の中身ですが、これは炎症反応に関係する好中球(白血球の一種)が、角層に溜まった状態のもので、小さな水疱が生じた後に膿疱へと変化したものです。
主な症状ですが、発生し始めの頃にかゆみが伴います。病状が進行すると、咳をした時などの体動時に、前胸部の痛みがあったり、腫脹、首や肩の可動域制限が見られることもあります。場合によっては、首や鎖骨付近、あるいは腰などに痛みがみられることもあります。そのほか、足のすねや膝に発疹が現れることもあります。また足の裏の膿疱については、水虫と症状が非常によく似ていますので、皮膚科医がしっかり鑑別する必要があります。
なお発症の原因につきましては、全てが解明されたわけではありませんが、扁桃腺炎や歯槽膿漏、喫煙、金属アレルギーなどが関与しているのではないかと考えられています。

乾燥肌

皮脂および汗の分泌が減少して、皮膚が異常に乾燥している状態を乾燥肌(乾皮症)と言います。症状としては痒みが強く、特にお年寄りの足全体・わき腹に顕著に認められます。湿度が低下する冬季に多く見られる傾向があります。
原因としては、皮脂の欠乏によって皮膚のバリア機能に障害が起こり、皮膚表面からの水分の喪失が多くなるため、皮膚が過敏になって痒みが生じます。
住環境や入浴時間、湿度、石けん類の使用などのライフスタイルも関係してきます。
乾燥肌の治療としては、皮膚の乾燥が基本にあるため、まずは皮膚のバリア機能を回復させるためのスキンケアが重要です。入浴後は、皮膚がまだ乾かないうちに、保湿剤をまんべん無く、十分に塗ると良いでしょう。目安は皮膚がテカテカし、ティッシュが1枚くっつく程度です。皮膚炎を起こしている部分には、弱いステロイドの塗り薬を併用すると、より効果的です。痒みのせいで寝つけないような場合は、痒み止めとして抗ヒスタミン薬を処方することもあります。

円形脱毛症

自覚症状などが何も無く、ある日突然、頭にコイン大の丸いはげ(脱毛斑)が生じる疾患です。脱毛斑は一ヶ所とは限らず、多発することもあります。時には頭全体の毛が抜けたり、全身の毛が抜けたりすることもあります。
かつては、精神的ストレスが主な原因と考えられていました。確かに何らかのストレスがかかった時に脱毛が始まる人もおられます。しかし、ストレスと関係無く発症することもあります。円形脱毛症の頻度は人口の1~2%と推測され、男女差は見られません。
脱毛斑が小さい場合は、自然に治ることが多いです。しかし、広い範囲で抜けているケースほど脱毛は長引き、数年以上にわたって続くこともあります。ただし、たとえ何年も脱毛が続いても、毛包の大元の細胞(幹細胞)は残っていますので、治療がうまく効を奏すれば、毛髪は戻ってきますし、時には自然の経過で生えてくることもあります。治療法は、病気が始まってからの期間と脱毛面積などに応じて決められます。ステロイドなどの外用療法やグリチルリチンなどの内服療法、ステロイドの局所注射、脱毛部をドライアイスで冷却する方法、ステロイドの内服療法などが知られています。当院でも日本皮膚科学会ガイドラインに準じた治療法を行っております。

AGAについて

男性の薄毛は、「男性型脱毛症」(AGA:androgenetic alopecia)、通称「薄毛症」と呼ばれ、思春期以降に始まって徐々に進行する、男性では最もよく見られる脱毛症です。前頭部と頭頂部の毛髪が軟毛化して細く短くなり、最終的には頭の生え際が後退し、頭頂部の毛髪が失われることが特徴で、日本の成人男性の4人に1人くらいが薄毛症と言われます。薄毛症は、遺伝や男性ホルモンによる発毛サイクルの乱れなどが主な原因と考えられています。
薄毛症は進行性の脱毛症であり、何もせずに放っておくと、毛髪の数は次第に減っていきますので、早めのケアが大切です。
当院は、個人情報やプライバシーに配慮しながら診療を行いますので、安心してご相談ください。毛根の様子をダーモカメラと呼ばれる特殊な拡大鏡機能のあるカメラで撮影し、毛根の状態を評価し、適切な治療法を提案させていただきます。

巻き爪、陥入爪

巻き爪とは、爪が内側に巻いていってしまう状態のことです。巻き爪が原因で爪の角が皮膚に刺さり、皮膚の炎症を起こす状態のことを陥入爪といいます。
主に、爪に負担のかかりやすい足の親指が巻き爪になります。足の形によってなりやすい人がいます。また、女性のパンプスなど窮屈で足趾に負担のかかる靴を履いている方が発症する場合が多いです。
場合によっては足の他の指の爪や、手の爪も巻き爪になることがあります。巻き爪が進行すると、指の肉に爪がどんどん食い込み、激しい痛みを起こし、さらに巻き込まれた皮膚が化膿し、歩くことさえ困難になります。
また巻き爪のために足をかばって歩くと、不自然な歩き方になり、足首や膝、腰へと負担がかかり、捻挫や膝痛、腰痛を起こす原因にもなります。
巻き爪1つで全身のバランスが崩れて、さまざまな体調不良を引き起こす可能性があるのです。
当院では、まず正しい爪の切り方を説明させていただき、症状に応じてテーピング、クリッピングなどの保存療法、陥入爪手術と呼ばれる手術療法を提案させていただきます。手術を行う場合でも、局所麻酔日帰りで可能です。歩くたびに痛みがあることは非常に苦痛ですので、気になる場合は早めにご相談ください。

うっ滞性皮膚炎

下腿(膝より下側)に生じることの多い皮膚炎です。慢性静脈機能不全により下肢の静脈血が心臓まで戻れず、足にたまってしまうことによって生じる皮膚の炎症です。かゆみ、痛み、色素沈着、潰瘍を生じることが多いです。比較的高齢の方に多いことも特徴です。潰瘍がある場合は軟膏を用いた治療を行いながら、下腿に血液がうっ滞しないよう圧迫療法を行います。治癒した後も再発予防に圧迫療法を継続することが大切です。

下肢のむくみ(浮腫)

下肢のむくみの原因には、心疾患、腎疾患、肝疾患、栄養障害などがあります。これらの異常がなくむくみが出る方は、子宮や前立腺などの下腹部にある臓器の手術を受けたことがある方が多いです。
下肢のむくみの改善には保存療法、手術療法があります。
保存療法では、うっ滞性皮膚炎と同じく圧迫療法が大切です。弾性包帯と呼ばれるあまり伸び縮みのしない包帯を巻いたり、きつめのストッキングを履いて下肢にリンパ液がたまらないようにします。
手術療法では、リンパ管静脈吻合術と呼ばれる手術が有名です。顕微鏡を用いて、流れが悪いリンパ管にたまっているリンパ液を、流れのよい静脈に接続してあげることで浮腫を治す方法です。この手術は大学病院など限られた施設での手術となります。

足潰瘍、足壊疽

足をぶつけたり、爪切りで深爪となったり、ちょっとした傷が出来ても、通常であれば人間が本来持っている治癒能力で、何もせずともいつのまにか綺麗に治ることがほとんどです。ですが、糖尿病などで末梢血管のダメージがあったり、動脈硬化により下肢虚血といって足の血流が悪いと、傷はなかなか治らず慢性潰瘍となります。さらに症状が悪化すると足の指先が黒く壊死していきます。壊死してしまうと軟膏で治すことは難しく、多くの場合は壊死している部分を切断します。
こうならないためにも、内科での糖尿病治療、血糖コントロール、動脈硬化の予防が非常に大切となります。一度失った足は元には戻せません。当院では近隣内科の先生方と連携しながら治療にあたっています。

皮膚がん(基底細胞がん、有棘細胞がん)

基底細胞がん

基底層(表皮の最下層)や毛包などを構成する細胞が悪性化してできた腫瘍で、日本人に最も多い皮膚がんと言われます。よくみられる初期症状は、黒色から黒褐色の軽く盛り上がった皮疹で、ほくろと勘違いされがちです。
当院では、ダーモスコープを用いて詳しく観察し、必要に応じて生検と呼ばれる皮膚の一部を採取し組織診断を行います。生検で基底細胞がんであることが確定したら、再発防止のためにマージンを取ってひと回り、ふた回り大きめに病変を全て切除します。どの程度大きく取るべきかは部位や大きさによって決められています。腫瘍切除後の欠損が大きい場合には、人工真皮と呼ばれる仮の皮膚のようなものを貼ったり、植皮をしたり、局所皮弁による再建を行います。
当院では近隣の大学病院や総合病院と連携を取りながら治療にあたっています。
当院でも局所麻酔で可能な比較的小さい基底細胞がんは日帰りで切除可能です。しっかりと腫瘍を取りきることが大切ですが、腫瘍を取った後の見た目にも気をつけながら手術を行っています。再発がないか、手術後も定期的な通院が必要です。

有棘細胞がん

有棘層(表皮の中間層)を構成する細胞から発生するがんで、一般に不揃いな形をした紅色の盛り上がりが現れます。日本人の皮膚がんのなかでは、上記の基底細胞がんに次いで多くみられます。発症には、紫外線が強く関与しているとみられています。基底細胞がん同様、当院では、ダーモスコープを用いて詳しく観察し、必要に応じて生検と呼ばれる皮膚の一部を採取し組織診断を行います。生検で有棘細胞がんであることが確定したら、再発防止のためにマージンを取ってひと回り、ふた回り大きめに病変を全て切除します。
どの程度大きく取るべきかは部位や大きさによって決められています。腫瘍切除後の欠損が大きい場合には、人工真皮と呼ばれる仮の皮膚のようなものを貼ったり、植皮をしたり、局所皮弁による再建を行います。
当院では近隣の大学病院や総合病院と連携を取りながら治療にあたっています。
当院でも局所麻酔で可能な比較的小さい基底細胞がんは日帰りで切除可能です。しっかりと腫瘍を取りきることが大切ですが、腫瘍を取った後の見た目にも気をつけながら手術を行っています。再発がないか、手術後も定期的な通院が必要です。

しもやけ

しもやけ(凍瘡)は、冷たい外気にさらされた後、血行の悪くなりやすい場所、すなわち手足の指先、耳たぶ、ほお、鼻などに生じます。皮膚が赤く腫れ上がり、ひどい時には水ぶくれを起こすこともあります。痒みを伴い、入浴などによって血流が良くなると痒みが強くなるのも特徴です。子どもに多い疾患ですが、女性では大人になっても繰り返す人が見受けられます。原因は、冷たい空気にさらされることですが、同じように寒気に当たっても、しもやけを起こす人と起こさない人がいます。
しもやけの治療には、ビタミンEの塗り薬が使われます。症状が強い場合や、広範囲にわたる場合、冬になる度にしもやけを繰り返す人の場合などには、ビタミンEの飲み薬も有効です。しかし、一番大切なのは予防です。しもやけになりやすい人は、冬は防寒をしっかり行い、寒冷刺激を避けることが重要です。

水疱症

やけどや虫さされ、感染症などのはっきりとした原因が無いのに、皮膚に水疱(水ぶくれ)を形成する疾患です。水疱症では、皮膚の基底膜(表皮と真皮の間にある、薄い網状の膜)に対する自己抗体(自分の組織に反応する抗体)が皮膚を傷害し、皮膚に水ぶくれをつくります。全身のあちこちに、痒みを伴う紅い斑点(紅斑)、大きくて厚く、破れにくい水ぶくれ、びらんなどが見られます。びらんは、時に口の中にも生じます。局所麻酔をして、患部の一部を切り取る皮膚生検を行い、診断をつけます。血液検査も有効です。
治療については、中等症までの水疱症では、テトラサイクリン・ニコチン酸アミド療法という治療を行い、1~2週間ほど経過を観察し、十分な効果が得られない場合は、ステロイドの内服を併用するようにします。治りにくいケースでは、ステロイドパルス療法、免疫抑制剤の内服、血漿交換療法などが行われます。

膠原病

膠原病(こうげんびょう)は、特定の臓器ではなく、全身のいろいろな組織に炎症が起こる病気です。
一つの病気の名前ではなく、「膠原病という病気のカテゴリー」に入るいくつかの病気を総称して「膠原病」と言います。
原因は不明ですが、膠原病患者の血液中には、自分自身の体の構成成分と反応してしまうリンパ球(自己反応性リンパ球)や抗体(自己抗体)が見つかり、このことが膠原病という病気を引き起こす原因になっていると考えられています。自分の免疫システムによって自分自身の臓器を攻撃してしまう、「自己免疫疾患」だと考えられています。
膠原病には、全身性エリテマトーデス(腎臓に障害を起こし、透析を必要とする腎不全に至ることも多く、適切な診断ならびに治療が大切)や、全身性硬化症、多発性筋炎・皮膚筋炎、ベーチェット病、シェーグレン症候群など、多くの疾患が含まれています。前記の関節リウマチも、実は膠原病の一つで、関節を標的とする膠原病です。
一口に膠原病と言っても、症状の数や種類、程度は患者さんによって大きく異なり、治療方針や治療内容もそれぞれ異なってきます。

あざ(扁平母斑、太田母斑、異所性蒙古斑)

皮膚面に色素の病的沈着や血管の増殖によって生ずる褐色もしくは紫色の斑紋をあざと言います。
顔にはいくつかのあざ(赤、青、茶、黒)が見られますが、赤あざには単純性血管腫、苺状血管腫があります。前者は、血管が異常に増殖・拡張することによって発生するものです。後者は生後間もなく発症し小学校低学年の頃までには消失するあざです。
青いあざとしては太田母斑があります。これはメラノサイトが増えることで起きる先天的なものです。目や目の周囲、頬など顔面の片側に現れます。また、異所性蒙古斑と呼ばれる、赤ちゃんのおしりの青なじみが、おしり以外の場所に出現するあざもあります。
茶色のあざは扁平母斑といい、全身至るところに発生する境界が鮮明な楕円形の平らな褐色斑です。先天的または思春期の際にできることが多いです。
また黒あざとしては、色素細胞母斑(ほくろ)があります。
治療はレーザーや、小さいものでは切除などがありますが、難航することも少なくありません。何か気になる症状がありましたら皮膚科を受診しましょう。

とねり皮膚科・形成外科

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